～スケルトンリフォームとは～

スケルトンリフォームは、近代人気のリフォームのひとつです。

建物を「躯体」と呼ばれる骨格の状態まで撤去し、解体するリフォーム方法で、

床や壁、天井を全て取り払って行われることから「スケルトン」と呼ばれています。

建物を骨組みまで解体するため、見えない・手を加えにくい部分の改修工事ができるのが最大のメリットです。

骨組みを丈夫に補強できれば、築年数が経過した家でも永く住み続けることができます。

また、内装や壁を撤去してしまうため、通常のリフォームでは難しい水廻り設備の移動や

間取りの変更の自由度が高いという特徴があります。

スケルトンリフォームのメリット

スケルトンリフォームのメリットとして、以下の4つが挙げられます。

1.間取りの可変性が高い

スケルトンリフォームは、建物を骨組みの状態まで戻すため、

自由に間取りを決めることができます。

建て替えをしなくても既存の家を新しい家のように作り変えることができるので、

子供の成長やセカンドライフなど、ライフステージに合わせた暮らしができます。

2.断熱対策・耐震補強がしやすい

時代の変化に伴い、耐震基準に満たない古い建物にスケルトンリフォームを施すことで、

現行での性能基準まで引き上げることができます。

建物全体の断熱性能が向上すれば、冷暖房効率も上がり、省エネにも繋がります。

3.配管などの構造補強がしやすい

現状住む上では問題がなくても、

経年変化によって給排水管・電気配線に問題が発生することも考えられます。

スケルトンリフォームなら、それらの修繕や交換もしやすいです。

また、全室無線LANを使えるようにしたいなどといった要望が叶えやすいのも魅力的です。

4.コストパフォーマンスが高い

スケルトンリフォームは、既存建物の内外装をほぼ新築同様になります。

また、新築に建て替えるより、コストを抑えることができます。

ただし、建物の劣化が激しい場合や機能にこだわりすぎてしまった場合は、

費用が割高になる傾向にありますので、注意が必要です。

スケルトンリフォームのデメリット

スケルトンリフォームは、得られるものが多い改修工事です。

しかし、デメリットが全くないわけではありません。

スケルトンリフォームには、以下のようなデメリットが挙げられます。

1.適用できないケースがある

《壁式構造のマンション》

「壁式構造」とは、壁で建物を支えている構造のマンションです。

柱や梁で支える「ラーメン構造」と呼ばれる造りのマンションに比べて、

室内がすっきりしているのが特徴ですが、スケルトンリフォームをする場合には、

撤去しても構造上の問題がない間仕切り壁しか撤去することができません。

建物を支えている耐力壁は残さなければならないので、スケルトンリフォームをする場合は間取りに制限がかかるか、

場合によっては断念せざるをえないです。

《マンションの規約で禁止されている》

マンションによっては、規約でリフォームの範囲や使える素材に制限を設けている場合があります。

例えば、階下に騒音が響くのを防ぐため、フローリングへの変更を禁止しているケースや、

躯体への壁打ちや穴開けを禁止しているケースです。

スケルトンリフォームを検討した段階で、

管理規約や契約書に記載されている設計や工事に関する規則を確認しておくことが重要です。

2.部分リフォームよりコストがかかる

スケルトンリフォームは、建て替え・新築などと比較するとコストパフォーマンスが高いです。

とはいえ、規模の小さいリフォームに比べれば高額になります。

できることが多い分、さまざまなアイディアが思い浮かび、

予定外のコストが発生することも多くなりがちです。

3.工期が長い

スケルトンリフォームは、ほぼ取り壊しの状態にしてから作り直す大規模な工事となるので、

施工中は、その建物に住み続けることができません。

リフォーム完成までに仮住まいを用意し、数カ月間そこに引っ越しをする必要があります。

あらかじめ、工期の目安を確認した上で、仮住まいの準備やその他の計画を立てるようにしましょう。

まとめ

スケルトンリフォームは、建物の骨組みまで解体して再構築するリフォーム方法です。

躯体の補修や耐震・断熱性能など、普段見えない部分もメンテナンスをすることができるので、

特に築年数の経過した家のリフォームに適しています。

今回挙げたメリットとデメリットを踏まえた上で、是非検討してみてください。